第5次鹿沼市環境基本計画
環境基本計画について
環境基本計画は、「鹿沼市環境基本条例」第9条に基づき、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために定められるもので、「鹿沼市総合計画」を環境の保全面から具体化する、環境に関する最上位の計画です。
平成27年の国連サミットにおいて掲げられたSDGsの実現に向け、複数の課題に対して総合的な解決を目指す機運が高まっていることや平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電の事故をはじめ、令和元年東日本台風などの激甚災害を経験したことで、エネルギー需給の考え方や環境保全についての意識の変容をもたらし、気候変動の影響やリスクへの不安も高まっています。一方、新型コロナウイルス感染症の影響は、人々に「新しい生活様式」の定着を促し、価値観やライフスタイルに大きな変化をもたらしました。自宅で過ごす時間が増えたことで、エアコンや照明などのエネルギー使用量の節減や環境への負荷について、改めて見直す機会となり環境に配慮した意識が高揚しつつあります。
このような状況を踏まえ、本市の環境の現状と課題を的確に把握し、その対策の実行と新たな社会への順応を促し、豊かな自然環境と共生するまちづくりを進めていくため、「第5次鹿沼市環境基本計画」(計画期間:令和4年度~令和8年度)を策定しました。
なお、本計画では、持続可能な社会の実現を推進していくため、関連性の高いSDGsの目標を各施策で示し、積極的にそのゴールの達成を目指します。
さらに、広範囲にその影響を及ぼす地球温暖化に端を発する気候変動について、その要因とも言われる温室効果ガスの排出量を削減するための緩和策として「鹿沼市地球温暖化対策実行計画」を、気候変動による被害の回避、軽減を進める適応策として「鹿沼市気候変動適応計画」を組み入れ、統括的かつ効率的な運用を図ります。
「かぬまの環境」の将来像
長い時間をかけ育まれてきた「かぬまの環境」は、私たちの暮らしに彩りを与え、活力をもたらしてくれます。私たちには、先人から受け継がれたこのかけがえのない財産を、このまちの未来を担うこどもたちに引き継いでいく義務があります。「かぬまの環境」をできるだけあるがままの状態で未来へ継承するためには、様々な環境問題を「他人事」ではなく「自分事」として捉え、解決に向けて自発的に行動を起こすことが重要です。自らの行動に責任を持ち、環境に与える負荷をできるだけ減らすために何ができるかを考え、各主体が一体となって環境保全への取組を進めていく必要があります。どんな時でも「かぬまの環境」は私たちに寄り添い、受け入れてくれる温かい存在です。身近にある自然を当たり前と思わず、やさしさと思いやりの心をもって守ります。それが当たり前にできたとき「かぬまの環境」は、これからも今と変わらない姿で私たちと共にあり続けます。
4つの基本目標
基本目標1「ゼロカーボンのまちをつくる」
「かぬまの環境」をあるがままの姿で次世代に継承できるよう、社会環境の変化に応じた温室効果ガスの排出抑制や再生可能エネルギー及び省エネルギー設備の利活用促進、森林の適正な整備と管理による温室効果ガス吸収源対策、さらに、経済と環境の好循環をもたらす再生可能エネルギーの地産地消及びエネルギービジネスの研究などを通して、2050年脱炭素社会の早期実現を目指します。
基本目標2「持続可能なまちをつくる」
現在の生活様式や事業活動の在り方を見直し、生産や消費の抑制といったごみの排出抑制に向けた意識の変換、ごみの分別徹底や3Rに基づく資源の有効活用、水資源の保全と適正な処理などを通して、環境への負荷を最小限に留めた「持続可能なまち」を目指します。
基本目標3「自然と寄り添うまちをつくる」
鹿沼市が有する恵まれた自然環境は、私たちの社会活動や生活環境と深い関わりがあり、様々な恵沢をもたらしてくれます。これからも変わらず住みよいまちとして発展していくためには、自然と調和した暮らしの確立が重要です。環境保全型農業の取組や生物多様性の保全活動、里山の保全などを通して、美しい水と緑を次世代に継承する「自然と寄り添うまち」を目指します。
基本目標4「自ら行動するまちをつくる」
地球温暖化を始めとする環境問題は、全人類が直面する共通課題です。これらの課題と真正面から向き合い、他人事ではなく自分事として認識し、このまちに関わるすべての人々が、自主的に行動していくことが重要です。子どもたちへの環境教育の充実やエコライフの喚起、気候変動に伴う自然災害や健康被害への予防策の取組や地域と連携したきれいなまちづくり運動の拡充などを通して「自ら行動するまち」を目指します。
鹿沼市2050年脱炭素ロードマップ
2050年脱炭素(カーボンニュートラル)とは
近年、気温の上昇、大雨頻度の増加、生態系の変化、熱中症リスクの増加など、地球温暖化の影響とみられる気候変動の激化が各地で現れており、温暖化の進行によっては今後さらに長期にわたり拡大するおそれがあります。
平成27年に採択された、国際的な地球温暖化対策の枠組みである「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を産業革命以前から2℃未満とし、1.5℃未満に抑える努力をするという目標が定められました。この目標を達成するためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロ(=カーボンニュートラル)にすることが必要とされています。排出量実質ゼロとは、二酸化炭素などの温室効果ガスについて、人為的な発生源による排出量と、森林などの吸収源による除去量との間の均衡を達成することをいいます。
本市においても、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを表明し「第5次鹿沼市環境基本計画」において国の新たな削減目標に沿った中長期的な削減目標値を定め、より一層の温室効果ガスの排出量の削減を推進していきます。
ロードマップの目的
地球温暖化等による気候変動に伴う災害の激甚化や新型コロナウイルス感染症及び人口動態等により、地域経済へのダメージが顕在化しています。ほかにも、域内産業構造の特性からなる地域課題も潜在化しており、2050年脱炭素社会の構築に向けては、経済と環境の好循環をもたらす「地域循環共生圏」の考え方のもと、地域における持続可能な自立・分散型社会の早期実現が急務となります。
このため、本市では、地域に根ざした再生可能エネルギーの最大限の導入等を通して、2050年脱炭素社会の実現をはじめとした地球温暖化全般への対策、地域経済の活性化や新しい再生可能エネルギービジネス等の創出、災害時のエネルギー供給の確保といった様々な課題に対する総合的な解決を図ることを目指し、第5次鹿沼市環境基本計画の別冊として「鹿沼市2050年脱炭素ロードマップ」を作成しました。
鹿沼市2050年脱炭素ロードマップ(pdf 2.90 MB)
鹿沼市2050年脱炭素ロードマップ概要版(pdf 807 KB)
過去の計画
第3次鹿沼市環境基本計画(2012~2016)(新しいウィンドウが開きます)
第4次鹿沼市環境基本計画(2017~2021)(新しいウィンドウが開きます)