古本喫茶【くらしのら】
見頃だった桜も葉桜になり、ヤマブキの花が咲き始めた新緑の頃
自然豊かな里山に古本喫茶【くらしのら】さんが
オープンしました。
▲左が【くらしのら】さん湯気敷地内
【くらしのら】さんは鹿沼市内の人気パン屋さん、
"一本杉農園"さん、併設カフェ"蒔時"さん、
おでん居酒屋"湯気"さんの系列店です。
木の温もりたっぷりのお洒落な店舗ですね。
店舗の大部分は、オーナーの福田大樹さんはじめスタッフさんで古民家を改装したそうです。
もっと近づいて見てみます。
ウッドデッキに椅子とテーブルがあります。
外でも過ごせる様ですね。
右奥に見えるものは、また後でのお楽しみ。
テラス席、今日みたいなお天気のいい日は最高です。
さあ、いよいよ入り口です。
まぁるい看板にくらしのらと書いてあります。
またまたもっと近づいてみましょう。
看板にはよく見るとひつじの模様が。
【くらしのら】さんにあるこの看板や置物などは、古道具やアンティークが多いそうです。
こちらの看板も最初はもっと黒ずんでいて、一度書いた字を書き直す為に拭いてみたら、下のひつじの絵が浮き出てきたそう。
こういう風に、思いがけず古いものから新しい発見をするのも楽しいですね。
店内に入って見ると、お客さんがお気に入りの本を探し、席に座る所でした。
※店内にいる方には撮影許可を頂いています。
まず、ぐるっと見回してみます。
アンティークの本棚にたくさんの本がありました。
色んなジャンルの本がありますね!
※令和4年4月16日現在のものです。
これらの本はオーナーさんの呼びかけで集まった本で、特にジャンルは決めていないのに、さまざまな本が集まったとの事です。
私も寄付させていただいたこの一冊をご紹介します。
高校の時の国語の先生が書いた自伝本です。
※ペンネームで執筆されています。
この様に、思い入れのあるエピソードを添えて本を預けると、新たに文章を入力してくれたものをラミネートして本に挟んでくれます。
その他、店内で読んだ本に挟んでおける栞が用意されていて、氏名と感想を書いて本に挟んでおけるそうです。
もしその本が買える場合は、栞ごと買い手に渡り感想をシェアできるそうです。
とっても素敵ですね!
~地域に暮らす人達が大切にしてきた本と、
次の読み手をつなぐ中継地点~
【くらしのら】さんはこんな風に、本を通して繋がれる空間として温かくみんなを迎え入れてくれます。
私のエピソード、同じく先生に教えてもらった人に見つけてほしいなぁ。
【くらしのら】さんでは、買える本とこの店内で読む本とがあります。
買える本は、裏表紙の内側に値段がついていました。
▼古本の事については【くらしのら】さんのInstagramより引用させていただきました。
さてここで一息。
【くらしのら】さんは古本喫茶でカフェではありませんが、本を読みながら頂ける飲み物とケーキがあります。
まずはコーヒーを頼んでみました。
運ばれてきた素敵な器は"古伊万里焼"。
古本喫茶にぴったりで、ここでもセンスが光ります。
手前は"読書のブレンド"。
こちらは深煎りで、味と香りで記憶が蘇る(オーナーさんに聞いたらプルースト効果と言うそうです)ブレンド。
このコーヒーを飲んだらその時読んだ本を思い出す...
すごく素敵ですね!
もう一つのコーヒーは一緒に行った妹が頼んだ
"考え事のブレンド"。
こちらは中深煎りで、深煎りよりカフェインが多く、シャキッとするので考え事をするのに最適なブレンド
だそうです。
コーヒー好きにはたまりません。
すごく美味しいブレンドコーヒーでした。
こちらは柑橘のティーソーダ。
グラスにはみずみずしいサマークイーン(大分産)が。
下に沈んでいるアールグレイシロップは混ぜて頂きます。
ケーキはチーズケーキ(クランブル添え)。
すべて手作りで、こだわりの食材を使っています。
こちらはガトーショコラ(ラズベリーソース添え)
有機りんごジュースと共に。
※写真はメニューの一部です。
メニューは数ヶ月かけて考案、試食して出来上がったものとの事。どれも素晴らしい味でした。
本を読みながらいただくのにぴったり。
みなさんもそれぞれ好きなドリンクやケーキを頼んでいました。
※店内の席を利用の際には、ドリンクの注文が必要です。
ふと自分が座った机をよく見てみると、他にはないとても素敵なデザイン。
土台はある工場の職人さんが廃材を使って製作したものだそうで、それをオーナーさんが木にビス留めしてテーブルにしたそうです。
丸く型抜きした鉄板を繋げたこの土台、とてもかわいいです!
こちらの廃材の土台もとても素敵です。
この職人さんが作ったものが、テラスにもありました。
先ほど、店内に入る前にチラッと右奥に写っていたもの。焼き芋の釜です!
秋冬には、焼き芋もこちらのメニューに入るそうです。
とても楽しみ!
ここで、私の興味深かった棚をご紹介します。
特に古い物が多いこちらの棚。
その中で見つけたこの本は、社会科地図帳です。
古い地図帳ですが、なんだか見覚えがある懐かしい感じがしました。
この更に改訂版を社会の時間に使った様な...
中を開くと、今はもうない国もありました。
こちら四書、あまりにも古くて紙が変色しています。
こういうかなり月日が経っている本はなぜかワクワクします。
長い時間を経て出会えたからかな?
今はレーザーが主流となった墨出し器も。
昔の木で出来ている物は趣きがあります。
古くてワクワクシリーズはまだ続きます。
こちらは古書の表紙を額に入れたものです。
表紙を額に入れて飾る発想は、目から鱗でした。
古書の表紙は他にもたくさん飾ってありました。
昔の本は、どれもとても素敵ですよね。
今回、昭和初期のものを手に取りましたが、とにかく作りが頑丈でしっかりしていました。
昔の物は、家にしても本にしても家具にしても、とてもしっかり作られている様な気がします。
手間暇惜しまずに手作業で作ったものは、どれも本当に丈夫で素敵です。
この鍵も、私の子供の頃はよく見かけた鍵です。
回しながら鍵を閉めるタイプ。
とても懐かしいです。
【くらしのら】さんはこんな風に、古き良きも味わう事が出来ます。
こちらの外壁、改装の際に1枚1枚、木の板を塗って壁に付けていったそう。
手間を惜しまない昔の作り方と、相通ずるものがあります。
今回、【くらしのら】さんがオープンするまで約1年間、ときどき前を通るたびに少しずつ変わっていく様子を見てきました。
皆さんが手間暇かけ、手作りで作った店内は、
本を初め、置物、家具、テーブルと、何時間見ても飽きず時間が足りないくらいでした。
最後に。
昔、私の通っていた小学校の近くに中央公民館があり、その3階が図書館でした。
土曜日になると2階がバレー教室になり、
バレーをしている子達をちょっと羨ましい気持ちで覗いてから3階に行くのが日課でした。
3階に行くと、陽の光がたっぷり入る奥の棚の下の段に、私が好きなシリーズが並んでいて、その場所の前で本を選び読むのが大好きでした。
とても幸せな思い出です。
この【くらしのら】さんの優しい陽の光の店内を見たら、そんな小学生時代を思い出しました。
スタートしたばかりの【くらしのら】さんですが
古いものを大切にしながら少しずつ新しいものも取り入れて、ますます素敵な空間となっていく予感。
この先、きっと誰かの幸せで素敵な思い出の場所となっていく事と思います。
【くらしのら】
鹿沼市西沢町337-1湯気敷地内
営業日火、水、木、金、土曜日
営業時間10時から17時
令和4年4月現在
※プレオープン中の取材の為、若干異なる点もある事をご了承下さい
今日のほっと一息。
ではまた!
ライター mari.mari