前回の記事「しいたけ班」に引き続き、今回は
「アグリ班」の中のもう一つの班、
「花卉(かき)班」をご紹介したいと思います。
花卉とは…「花の咲く草。草花。観賞用に栽培する植物。」と、調べたら出てきました。
そう、花卉班は花を育てる班です。
なかなか馴染みがない漢字かもしれないので、
以降、花班とさせていただきます。
花班の作業をご紹介する前に、いきなりですが、建築中の鹿沼市役所前交差点の写真をご覧ください。
こちらのお花、生き生きとしてとても綺麗です。
このマリーゴールドのプランターは、希望の家の花班が育てたもので、管理もしているんですよ。
のちほど、詳しくご紹介したいと思います。
さっそく花班が作業しているビニールハウスにお邪魔しました。(雨が降っていた日と晴れた日に取材させてもらったので、どちらの写真も交互に載せています。)
※利用者さんの撮影・掲載許可を施設長にいただいています。
まずビニールハウスの中に入らせてもらいました。
とても広々としています。
左側の作業場では職員が作業をしています。
中央にある作業場では、利用者さんが作業しています。
周りには綺麗で生き生きとした花がたくさんあります。
利用者さんの近くに行き、作業している所を見せてもらいました。
この日は、ラベンダーの葉の枯れてきた部分を、一つ一つ手作業で摘み取っていました。
前回、希望の家では作っている野菜にも農薬をほとんど使っていないと紹介しましたが、花も同じです。
そのため、手間暇はかかりますが一つ一つ丁寧に育てています。
実は希望の家の花は種から育てているんですよ。
芽が出たばかりの苗。とっても可愛らしいですよね。
こちらは1週間前に取材した時に撮ったもの(上)と
1週間後に取材した時に撮ったもの(下)
1週間でかなり大きく育っています!
ふと気づくと、集中して作業をしている利用者さんがいたので、近くで作業を見せてもらいました。
苗の土の入れ替え作業です。
「苗ポットに入っていた土に苔(こけ)が生えていて、悪影響だから。」と、利用者さんが教えてくれました。
苔の部分を取り除き、新しい土を入れて…
苗を元のポットに戻し、優しく植え直しました。
ここまで手をかけて苗を育てているんですね!
土も熱消毒して、リサイクルして使っています。
安心安全でとてもエコですね。
ここで、花班で作業している皆さんの紹介をします。
利用者さん 6~7人
職員 2~3人
の人数で作業をしています。
皆さん赤いチェックのシャツをお揃いで着ているので、花班の人達はすぐに分かります。
赤いチェックのシャツ、とても素敵です。
赤いチェックのシャツを着た利用者さん達、プランターを運んでいます。
ここで、花班の運んでいるプランターについて。
花班では、企業や施設等に花を植えたプランターを設置し管理する「リースプランター」を行っています。
(費用は月額料金となります。)
花の管理は、プランターに植えた花の水やり・花殻摘みなどです。
(夏は週2回、冬は週1回管理に訪れ、年に2~3回プランターの入れ替えをします。)
記事の初めに紹介した
鹿沼市役所をはじめ、
鹿沼市民情報センター
御殿山病院
株式会社JSP
京浜精密工業株式会社 鹿沼工場
デクセリアルズ株式会社
などから委託を受け、リースプランターを設置しています。
この日、午前中は企業に行き、午後は市役所などを回ると利用者さんが教えてくれました。
どこを回ってどんな事をするかも把握しています。
私も鹿沼市役所の前で希望の家の皆さんを数回見た事がありましたが、重いプランターを車から下ろして、一生懸命運んでいました。
鹿沼市役所前のいちごポストの前にも。マリーゴールドがかわいいです。
プランターの花ですが、季節によって変わります。
主に、パンジー、ビオラ、マリーゴールド(4種類あるそうです)、ベゴニア(ベコニア)、葉牡丹、シロタエギクがあるそうです。
シロタエギクは、冬に花があまり咲かない時期に良いそうです。
(左下写真がシロタエギク)
希望の家のビニールハウスの中のお花です。
花の名前は花班職員の菅野さんに教えてもらいました。
初めて見たフクシア、可愛らしかったです。
花班の花は販売もしています。
種(たね)、苗(なえ)、花、寄せ植えを販売しているそうです。
こちらの花は自治会から頼まれて販売するものです。
たくさんのベゴニア(ベコニア)。納品する自治会の名前の紙が貼ってありました。
寄せ植えも色々な種類が並んでいました。
この寄せ植えも、利用者さんと職員で植える花を考えて作るそうです。
配色やバランスがとても良いですよね。
これらの花は、
野尻直売所
農産直売所 あぜみち 鹿沼店
農産直売所 あぜみち 戸祭店
農産直売所 あぜみち 西川田店
などで販売しています。とってもリーズナブルなお値段にびっくりしました。
ビニールハウスの外には、ブルーベリーの木も。
こちらも販売するそうです。
可愛らしいブルーベリーの実がなっていました。
これから青く色づき、食べられるようになるのが楽しみですね!
こちらは、利用者さんが絵を描いたネームプレートで、植えた日付と花の名前が書いてあります。このプレートがあればわかりやすいですね。
この絵を描いた利用者さんは、とても絵が上手いそう。
案内してくれた事務所職員の永見さんが教えてくれました。
土に差してあったこのネームプレートを見つけるたびにワクワクしました。絵がとってもかわいいですよね!
さて、ここでいきなりですが、この写真の場所はどこか分かりますか?
鹿沼市花木センター内のルピナスの丘です。(2021年4月25日撮影)
毎年4月下旬頃からGW頃に見頃となります。
このルピナス、実は希望の家の花班も植えに行っているんですよ。
今年は12,000本のルピナスが植えられましたが、そのうちの800本から1,000本を花班が植えました。
植えた時間はなんと、2時間半!早い!
慣れているからだそうですが、傾斜面を2時間半で植えるとは何とも素晴らしい技術です。
去年は私も見に行って撮影する事が出来ましたが、今年はタイミングが合わず行く事が出来ませんでした。
今になってとても悔やまれます。
そのため、今年の写真ではありませんが、とても綺麗でした。
このような活動は、鹿沼市の花卉イノベーション事業として行われています。
また、この他にも花卉イノベーション事業として、鹿沼市立菊沢西小学校の児童と希望の家の利用者さんで一緒に花をプランターに植えたり、さつまいもを植える活動も行っています。
地域と繋がりのある活動、とても素敵ですね!
↑使っている道具もきちんと並べて、整理整頓もバッチリです。
↑苗ポットも綺麗に洗って並べて干しておきます。
夏には室温40°近くになるこのビニールハウス、暑さ対策もされていますが、休み時間もきちんと取られていて、利用者さん達も水分補給をしっかりしています。
このビニールハウスでの作業のみならず、プランターの管理の為に外出する事が、ストレス解消にもなるそうです。
そういえば以前、夏の暑い日に市役所前で会った花班の方達は、暑い中でも嬉しそうに作業をしていました。
最後に。
希望の家作業班を見させてもらった感想として、利用者の皆さんが責任を持って仕事をしているのが印象的でした。
自分の作業にとても詳しく、誇りを持っているのが感じられました。
そして、どの作業場も整理整頓がしっかりしていて、とても良い環境でした。
実は、武子希望の家の作業班は8班あります。
今まで記事にした、パン班・アグリ班(しいたけ班・花卉班)の他に、
リサイクル班・SEED班・JSP班・生きがい班(A班・B班)・ボンド班があります。
それぞれ見せていただきましたが、やはりどの作業班も
一生懸命自分なりに作業をしていました。
他の班も詳しく記事に書きたい思いも出てきた程です。
そして、今回で希望の家の取材が終わりになると思うと、とても淋しいです。
まだ2回しか伺っていませんが、とても素敵な所でした。
この機会をくれた希望の家の皆さんに本当に感謝したいです。
また時々、水曜日の直売の日には野菜やしいたけを買いに行きたいです!
それでは、名残惜しいですがまた!
【社会福祉法人希望の家】
(障害者支援施設、多機能型事業所、障害者相談支援事業、グループホーム他)
〒322-0007
鹿沼市武子1566
TEL0289‐64‐3011(代表)
ライター mari.mari