皆さんは栃木県の公式キャラクターをご存じですか?
そう、"とちまるくん" です。
「どこかで絵を見かけた事あったなぁ。」「看板を見た事あるよ。」 「本人(着ぐるみ)に会ったよ。」など、栃木県の皆さんには馴染みのあるキャラクターだと思います。
では、こちらの写真をご覧ください。

そんな人気の"とちまるくん"が
素敵な木のグッズになりました!
『いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会』の
ノベルティグッズです。
こちらを製作した日向希望の家さんを
今回は取材させていただきました。
第77回国民体育大会・第22回全国障害者スポーツ大会が、今年は栃木県で行われます。
栃木県での国体開催は42年ぶりだそうです。
それにちなんで、日向希望の家さんが栃木県から受注を受けたグッズは6種類。
今回はグッズ製作と、日ごろの作業を合わせてご紹介したいと思います。
日向希望の家さん(以下敬称略)は
前回記事に書かせてもらった武子希望の家の分所で、同じ社会福祉法人希望の家が運営している
障がい者福祉施設です。
こちらの日向希望の家は、入居施設も備えている武子希望の家と違って、利用者さんが通所(通っている)する施設です。

こちらをご覧ください。工場のように見えますね。
日向希望の家には管理棟と作業棟がありますが、
写真は作業棟で、こちらはリサイクル班が作業をしている場所です。
管理棟には軽作業班が作業をしているそうですが、今回はリサイクル班にお邪魔してきました。
まずは、作業風景を見せていただきました。

入り口付近には木工関係の作業をする利用者さんがいました。近づいてみたいと思います。

加工された木材が並んでいました。
"すのこ"のようなものと、綺麗に面取りされた木材。
何になるのかなと思っていたら、近くに完成図を見つけました。
ハンガーラックかな?
完成図の手書きの数字で、大きさも分かります。
完成が楽しみです。
ここでまず気づいた事が。
前回取材した武子希望の家の作業場と同じく、日向希望の家の作業場も綺麗に整理整頓されています。
使い勝手が良く、作業に専念出来そうです。
次に、こちらの可愛らしい絵をご覧ください。

どんな製品になるか分かりますか?

こちらは"動物のパズル"です。
※まちの駅新・鹿沼宿の駅長に撮影許可をいただきました。
レーザーで絵を切り抜き、絵を巧く(うまく)合わせていくと、四角い枠にピッタリとはまります。
“木工のまちかぬま”らしい製品です。
絵は通所している身体障がい者の方が描いているそうです。
愛着が湧く可愛らしい絵ですよね。

こちらの手作りの木のパズルは
まちの駅 新・鹿沼宿 の物産館で販売中との事です。

こちらは動物パズルのピースで作ったマグネット。
可愛らしいので購入してみました。ちょっとしたプレゼントにも良いですよね。
日向希望の家の製品を、まちの駅 新・鹿沼宿でぜひ見てみてください。
さて、いよいよとちぎ国体・とちぎ大会の"とちまるくんグッズ"をご紹介します!

こちらが、 全6種類 になります。

2種類の絵があり、とちまるくんが走っている絵と車椅子に乗っている絵があります。
それぞれの大会にちなんだ絵が書かれていますね。
これらは業者さんにレーザー加工してもらったそうです。
キューブ型はそれぞれサイズが大と小の2サイズに2種類の絵があり計4種類。
木板は2種類の絵があります。
合計 6種類 です。
さて、ここで日向希望の家に取材に来た経緯を少し。
前回の武子希望の家の記事を読んでくれた日向希望の家職員の大貫さんより、市を通して取材依頼がありました。
「国体に向けて準備している事があるのでぜひ取材に来てくれませんか?」と。
私にとってすごく嬉しい事でした!
記事を読んでくれて依頼してくれた事が本当にありがたかったです。
国体開会式が近いという事もあり、すぐに日向希望の家にお邪魔しました。
日向希望の家は
利用者さん70名
職員21名の施設です。
利用者さんの1日は、
8時30分来所、16時10分頃退所で作業時間は9時~15時30分です。
途中、休憩時間や昼休みが設けられています。
さて、ふたたび''とちまるくんグッズ"に戻ります。

とちまるくん、とちまるくん、とちまるくん...
とついつい唱えてしまいたくなるほど、とちまるくんがいっぱい。
こちらの写真は、日向希望の家職員、大貫さんの提供です。
以後、大貫さん提供写真には(☆)印を付けたいと思います。
大貫さんによると、こちらの“とちまるくんグッズ”は2年前に栃木県に試作品を提出。
見事採用になり、冒頭に書いたように今回栃木県に依頼され製作したそうです。
国体の2年前からもう準備に取り掛かっていたんですね!
こちらは製作過程の写真です。

(☆)
綺麗に等間隔に並べて...

(☆)
色違いの木を市松模様になるように。

(☆)
市松模様のキューブの出来上がりです!
製作期間は約10日で、職員と利用者さんで組み立てました。
私がうかがった時は、国体間近だったので完成していましたが、組み立てている様子も見たかったなぁ。

こちらのパーツの面取りは利用者さんが仕上げた物です。
ひとつのパーツに付き専用の機械で12回面取りするそうです。大変な作業ですね。

出来上がった製品は国体のノベルティになるだけでなく、栃木県のアンテナショップ、福祉プラザでも購入する事が出来るそうです。
各種類、50個程度用意してあるそうです。
手作りで真心こもったこの製品のお値段、とてもリーズナブルですよ。
気になった方はぜひ店頭で手にとってご覧ください。
とちまるくんがいない無地のキューブは、まちの駅 新・鹿沼宿の物産館で購入する事が出来ます。
オブジェとしても素敵ですが、木のキューブは年配の方の指の運動にも使われていると聞きました。握っても角を面取りしてあるので、小さいお子様から年配の方まで活用できるのが嬉しいですね。

綺麗に包まれたグッズたち、皆さんの元にいってらっしゃい!
さて、ここからはもう少しリサイクル班の作業を紹介したいと思います。

作業棟の奥では利用者さん達が真剣に作業しています。
どんな作業か気になりますね。

さて、これは何でしょうか?
正解は...

(☆)
スロット台の解体作業です!
色とりどりのスロット台が並んでいます。
スロット台は、全ての部品を細かく解体します。

(☆)
こんなに細かく分けるのには理由があって、"リサイクル"する為なんです。
同じ色でも数種類あったり、ねじも細かく分けたりと、とても繊細な作業です。

では、利用者さんの作業に戻ってみましょう。

こちらのスロット台の解体は、 利用者さん26名、職員4名で作業を行っています。


(☆)
▲みんなで作業する利用者さんや

▲個人でじっくり作業するタイプの利用者さん
それぞれのタイプに合った作業形式にしています。

じっくりタイプの利用者さん、部品に付いたシリコンを削り取っています。ここまできちんとリサイクルしているなんて、素晴らしいです!
根気強さも必要です。
この利用者さんの手作業を見た時に、以前記事に書いた希望の家花卉班の利用者さんを思い出しました。
花卉班の利用者さんは、苗のポットの土に付いた苔を丁寧に取り払って新しい土を入れていました。
その細やかな作業にびっくりして感動しましたが、リサイクル班の利用者さんも同じように細やかな作業をしていました。
みなさんの集中する姿はとても素敵です。

こちらで作業している利用者さんは、とても手早く作業をしていました。職員の大貫さんによると、作業に詳しく、大貫さんも時々教えてもらうほど。
今まで取材した希望の家の利用者さんは、自分の仕事を良く把握していて、仕事に誇りを持ってる人が多いです。
私も見習わなくては。

スロット台の解体作業、とても勉強になりました。
全体を見渡していると、隣に小部屋が。

覗いてみると、こちらでも作業している利用者さん達がいました。職員と利用者さんで交互に座っています。

教材を箱詰めする作業をしているそうです。
奥から順に製品が流れて来ます。

流れ作業で製品を入れていきますが、このように並べて置くと手早くすぐ次に回せます。
やっぱり利用者さん、自分の担当する作業は慣れています。
別の日の作業風景も。

(☆)
グラスの詰め替え作業です。

(☆)
やはり連携プレーで作業が早いですね。
このように、いろいろな種類の作業があります。
入ってくる仕事は職員が企業などに連絡をして受注するそうです。期間で受注するもの、定期的に受注するもの、不定期に受注するものとあるそうです。

ひと通り作業を見せてもらって外に出ると、ちょうど
トラックが入って来ました。
積んである物が気になり、近づいてみました。

中には、たくさんの発泡スチロールが積まれていました。これらはあの有名な餃子店が使う容器です!

すると、トラック到着に気づいた利用者さん達数人が、室内から出てきました。
力を合わせて何度も往復して、発泡スチロールを作業室に運んでいました。
トラックもよく見ると、希望の家のトラック。
職員が交代で製品や品物を運んでいるそうです。
しいたけ班を取材した時も思いましたが、職員もいろいろな仕事を行っていてすごいなぁと思いました。
利用者さんも職員も本当に働き者です。

これらの発泡スチロールにひもを付けたり検品して、餃子のお土産用・ギフト用容器を作ります。
この製品もいわば、餃子店が多い栃木県ならではのものですね。
ここまで勢いで、取材した事を一気に書いてしまいましたが、ここにはまだまだ書ききれなかった事も実はたくさんありました。
取材すればするほど、たくさんの思いが伝わってくる
希望の家。
まだほんの一部を見せてもらっただけですが、多くの人に素晴らしい施設だという事を知ってほしいです。

(☆)
前回、希望の家の記事をジブンスタイルかぬまに掲載してもらった時に、読んでくれた人達からの言葉で一番多かったのが、
「希望の家の施設の中って、あんな風になっているんだね」
「読んでみて初めて希望の家でいろいろやっている事が分かった」という言葉です。
実は、取材した私自身も感じた事でした。
私も取材するまでは、施設の事をまったく何も知りませんでした。
今回利用者さんと触れ合えた事も貴重な事でした。
純粋に仕事に向き合う姿勢は、本当に見習う事ばかり。

(☆)
そして、それを見守る職員の皆さん。
外から数回来て、ちょっと見て帰るだけの私と違って、ずっと利用者さんと向き合い、支援の他にもさまざまな仕事をこなしている姿に尊敬しかありません。
本当に素晴らしい施設でした。
また、この機会をくれた日向希望の家の大貫さんをはじめ、皆さんにも改めてお礼を言いたいです。
またいつかご縁がある事を願って、今回の取材の記事を終わりにしたいと思います。

社会福祉法人 希望の家
【多機能型事業所日向希望の家】
(生活介護、就労継続支援B型)
〒322-0047
鹿沼市酒野谷1166
TEL0289-62-8335
【社会福祉法人希望の家】
(障がい者支援施設、多機能型事業所、障がい者相談支援事業、グループホーム他)
〒322-0007
鹿沼市武子1566
TEL0289-64-3011(代表)
ライター mari.mari