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日用雑貨【おもん店】

令和5年度初の特派員記事は鹿沼市見野にある

おもん店」さんをご紹介したいと思います。

 

おもん店は、"おもんだな"と読みます。

小さい頃、おばあちゃんは"おもんさん"とも言っていて、私には"おもんさん"という呼び名の方が馴染みがあります。

 

おばあちゃんがお店に親しみを込めてそう呼んでいたのだろう思いましたが、最近の意味もあったことに気づくきっかけがありました。

 

まず、おもん店とは

明治43年(西暦1910年)創業の日用雑貨屋さんです。

1.旧おもん店

以前の店舗の写真がないので絵に描いてみました。

(約5年前、現在の店舗に改装する前)

 

初代店主は"大出 モン"さん。

そうです!おもん店のもんは初代店主の名前が付いていたんです。

どうりで、私のおばあちゃんが"おもんさん"と呼ぶ訳です。

店名というより名前で呼んでいたんですね。

ここで合点がいきました。

 

このお話を教えてくださったのは、5代目店主になったばかりの福田聖子(しょうこ)さん。

 

鹿沼の人気パン店「一本杉農園」のオーナー福田大樹さんのお母様でもあります。

そのため、毎週木曜日の16時から18時には一本杉農園のパンを販売しています。(看板要確認)

南摩にある一本杉農園の店舗以外でも、人気のパンが買えるなんて嬉しいですよね。

2.看板

 

おもん店さんも一本杉農園さんも、

"地元から愛されるお店"という点で共通するものがあります。

 

ここで、五代目店主しょうこさん(以下しょうこさん)に歴代店主の名前をお聞きしました。

初代モンさん

二代目ヤスさん

三代目ミトさん

四代目ヨシさん

五代目しょうこさん

しょうこさんが、歴代店主の名前をひとりひとり言い終わった後、「あ、最後だけ二文字の名前じゃない」と。

その言葉にクスッと笑わずにはいられませんでした。

 

歳上の方に大変失礼ではありますが、なんて可愛らしいお方なんでしょうと、そう思ってしまいます。

 

そんなふわりと優しい雰囲気のしょうこさんですが、以前は教職に就かれていました。

私の友達も中学生の頃に教えてもらっていて、同じように昔を懐かしむ人達もお店を訪れているようです。

 

私が、「歴代の店主さんみんな女性ですね」と聞くと、

旦那様はみんな外で別のお仕事に就かれていたと話してくれました。

明治時代から女性が活躍していた最先端なお店でもあったんですね!

女性がお店を守る事を承諾してきた旦那様達も、最先端な考えの方たちばかりですね。かっこいい。

 

3.しょうこさんと旦那様

▲しょうこさんと旦那様

 

旦那様はつい最近定年退職し、おもん店さんに。

家事など何でも出来るそう。この後の写真でも常に動いている姿が映っています。

働き者の旦那様ですね!

 

さて、現在の店舗について写真と共にご紹介したいと思います。

4.新おもん店

約5年前に改装したおもん店、昔を知る人は大きく変わった姿にびっくりする事でしょう。

私のおばあちゃんが生きていたら、「ずいぶんハイカラな洒落た店になったねぇ」と言いそう。

 

私の絵では分かりづらいかと思いますが、

昔のおもん店を知っている人は、レトロ、ノスタルジック、ちびまる子ちゃんに出てくる駄菓子屋みたいと、今でもその姿を懐かしむ人がたくさんいます。

私もそのうちの一人です。

幼少期は母の実家が近くにあったので、旧おもん店にはよく行っていました。

私の記憶では、絵に描いたよりもう少しレトロな感じでした。

 

5.街灯

昔の名残のある街灯。懐かしい。

 

ついつい昔を懐かしんでしまいます。

私も歳を取った証拠なのかな。

 

6.四代目店主ヨシさん

そんなお洒落な新おもん店には、ほっとするお顔が。

四代目店主のヨシさん。しょうこさんのお母様です。

 

私の母曰く、「昔から上品で綺麗な方だよ」と言っていました。

母が独身で若い頃は、おもんさんの前のバス停で乗り降りしたそう。

そのため、三代目店主ミトさんの事も知っていて、おもん店の話をすると次から次へと思い出話が出て来ます。

 

思い出話の一つとして、

私の母が小学生くらいの頃に熱を出して寝込んだとき、当時は車もなく母のおばあちゃんが歩いておもんさんにやっとこさアイスクリームを買いに行ってくれたそうです。

しかし、年寄りの歩く速さは決して速くはなく、家に着く頃には溶けてしまいました。

それでも買ってきてくれた事が嬉しく、おばあちゃんが背負ってきた唐草模様の風呂敷からアイスクリームを見つけた時は嬉しくて、溶けてしまったアイスクリームとコーンを夢中で舐めたそう。

この頃はアイスクリームもまだまだ貴重で滅多に食べられなかったそうです。

 

この話を聞くとなんだか切ない気持ちになりますが、母にとっては決して悪い思い出ではなく、むしろ良い思い出として話してるように感じました。

おもん店は、昔は地域の人にとってかなり貴重なお店だったんだとも思いました。

 

 

7.レースと毛糸とヨシさん

手の運動の為、レースや毛糸で小さな小物を編んでいるヨシさん。

 

この日は、割烹着の中に手編みのセーターを着ていて、わざわざ脱いで見せてくれました。

以前ご自身で編んだものだそうで、凝った編み目や色合わせが素晴らしかったです。

優しい表情で話をしてくれるヨシさんをお店でお見かけするだけで、癒される方がたくさんいるのではと思います。

 

 

8.ゾウのお皿(壁掛け)

壁にかけてあるお皿はしょうこさんが益子陶器市で購入したお皿です。

 

店内を見ると、ところどころに素敵なものが飾られています。

9.ゾウのお皿

私も益子陶器市で作家さんのブースでこのお皿を見ましたが、こんなにこのお皿が似合うお店があるのか?と思う程、マッチしていました。

しょうこさんのセレクトセンスが良いのでしょう。

 

10.ハサミのオブジェ

こちらも同じ作家さんの作品。

ハサミで作られたオブジェで、ミニ花瓶も付いています。とても斬新で素敵な作品です。

おもん店にあると更に素敵に見えます。

 

 

11.ガラスのランプシェード

こちらのガラスのランプシェードは、鹿沼市と日光市にガラス工房がある有名ガラス作家さんの作品。

私も大ファンなので、この照明に大興奮でした。

 

 

12.棚のカゴ・雑貨

カゴや雑貨もお洒落なものが勢ぞろい。

都内のお店のようなラインナップです。

 

 

13.窓(麦わら細工)

窓辺には麦わら細工が。

店内のそこここにある麦わら細工が素敵です。

 

14.麦わら細工購入

麦わら細工も購入出来るんですね。

 

 

15.塗り絵と鉛筆削り

 

16.ソーイング BOX

 

17.雑貨・棚

地元の方の必需品から、この辺では手に入らないオーガニック系の調味料まで幅広く置いてあります。

こだわりのラインナップは要チェックです。

 

 

18.窓際お席

店内の席は3つあり、まずは窓際の席。

私が改装後に初来店した時は、こちらでイートインしました。

 

イートインの日は、曜日で決まっていますが、お店のInstagramを参考にすると良いかと思います。

19.カレンダー

▲おもん店Instagramより。「茶」がイートイン日。

 

20.あんみつとお茶

この日は、あんみつと緑茶を注文しました。

あんみつはすべて手作りで、小豆もしょうこさんの手作り。

これがすごく美味しいんです。

最近は和スイーツなどが食べたいと思うようになったので、手作りの和スイーツがいただけるのはすごく嬉しいです。

 

綺麗な緑茶も素敵な器に入れて提供してくれました。

どちらも美味しく、見た目にも素敵で上品なお味でした。

 

次に行くときは、オーダーを受けてから作ってくれるわらび餅を食べたいと思います。

わらび餅を食べられるお店は、市内にはなかなかないので嬉しいです。

 

 

21.ドキドキ席

こちらはドキドキ席。勝手に命名しました。

 

ここに座りたいけど目の前に座らせてもらうのはドキドキしちゃうなって思う憧れの席です。

しょうこさん曰く、結構ここに座られる方がいるそうです。

いつかこの席に座りたいな。

 

 

22.大きなテーブル

そして、3つ目の席は大きなテーブル席です。

 

今までのテーブルはすべて手作りなんだそう。

知り合いの木工所さんからいただいて、自宅倉庫に眠らせていた木を今回の店舗改装に合わせ、テーブルに仕立てたそうです。

 

テーブルの上には、しょうこさんが用意してくれた物が並んでいます。

この日は、「薔薇の砂糖漬け」のワークショップを開いてくれました。

Instagramで事前に募集をしていたので、申し込みをして参加をしました。

 

参加者は、私ともう一人の女性の方で、しょうこさんの教え子でした。

午前中に開催されていた鹿沼さつきマラソンの話題をみんなで話しながらワークショップが始まりました。

 

 

23.カゴに薔薇

用意してくれた薔薇は、しょうこさんが育てて2年目の薔薇。

匂いが良い真紅の綺麗な薔薇でした。

実は黒バラの一種らしいです。

薔薇は育てるのが大変と聞きますが、この薔薇は無農薬で薬を一切使っていないので安心して砂糖漬けに出来ます。

 

 

24.薔薇をちぎる

まずは花びらをちぎって並べます。

これがなかなか難しい。

しょうこさんは慣れていて、一枚一枚ちぎれる事なく綺麗なままの花びらを並べていました。

 

 

25.3人分の砂糖漬け

ちぎり終わったら砂糖漬けの工程へ。ここからは画像のみです。

作り方は、おもん店でまたワークショップが開催されたら参加してみてください。

 

 

26.卵白を手で付ける27.卵白から砂糖へ

細かい作業が好きなんですとしょうこさん。

ものすごく手際が良いです。

 

教師時代の話などを聞いたり、みんなでお喋りしながら作業しました。

楽しかったなぁ。

 

 

28.珈琲

作業の合間に飲んだ、しょうこさんの旦那様が豆から挽いて淹れてくれた珈琲がすごく美味しかったです。

お世辞ぬきで、絶品です。

また珈琲を飲みに行きたいな。

 

淹れてくれた珈琲の素敵な器は、益子陶器市で購入された物だそう。

一つ一つこだわりの器が揃えられています。

次はどの器で出してくれるのかな。

楽しみの一つになりそうです。

 

 

29.私の砂糖漬け

▲私が作った薔薇の砂糖漬け。

 

 

30.しょうこさんの砂糖漬け

▲しょうこさんが作った薔薇の砂糖漬け。

 

作っている途中から、すでに気づいていましたが、何かが違う。

一緒に同じ材料で作ったのに、やはりしょうこさんの砂糖漬けの仕上がりの美しさには及びませんでした。

(ワークショップでご一緒した女性も、同じ事を言っていました。)

さすがです!

 

今回、工程を知る事が出来たので、自分でチャレンジしてみようと思います。

1時間のワークショップも楽しくて、そのあとも長居してしまいました。

いつまでも居たい。そんな場所でした。

 

31.仲良しご夫婦

▲仲良しご夫婦にも癒されました。

 

作った砂糖漬けは、各々が持参したタッパーでお持ち帰りする事が出来ました。

 

 

32.お土産薔薇と砂糖漬け

お土産にもらった薔薇の花。

持ち帰った薔薇の砂糖漬けは自宅でも2、3日乾燥させます。

 

 

33.ちぎった薔薇と砂糖漬け

ちぎった花びら、何に使おうかな。砂糖漬けかポプリかな。

 

 

34.ヨーグルトとカゴと砂糖漬け

二日後。出来上がった薔薇の砂糖漬けをヨーグルトにのせて。

お土産の薔薇はポプリにする事にしました。

 

 

35.ヨーグルトと薔薇の砂糖漬け

薔薇の砂糖漬けはシャリシャリと食感も良い。

無糖ヨーグルトと相性バツグンです。

 

 

最後に。

今までのおもん店が地域の人に愛されてきたように、

しょうこさんが新たな風を吹かせてくれた新しいおもん店は、これから歴史を刻んでいろんな人の思い出の場所になっていくでしょう。

いつか私もそんなおもん店の思い出を誰かに伝えたい・・そんな風に思いました。

これから六代、七代と、ずっといつまでもこの場所におもん店があり続けて欲しいと思いました。

 

それでは、名残惜しいですがおもん店の記事はこの辺で...

 

 

36.ラテアート

お土産の薔薇を散りばめて。

 

それでは、また!

 

【おもん店】

鹿沼市見野1029

︎0289‐65‐1477

Instagram  @omondana1029

ライター  mari.mari


掲載日 令和5年6月7日 更新日 令和5年6月14日
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