農地のまま取得または貸し借りする
耕作目的で農地の所有権移転または賃借権や使用貸借権等の権利を設定する場合は、農地法第3条に基づく許可によるものと農地バンクを介する農地中間管理事業があります。
利用権設定等促進事業(相対契約)は制度が終了しました
利用権設定等促進事業(農用地利用集積計画)は、農業経営基盤強化推進法の改正により令和7年3月末で制度が終了しました。
- 現在契約中の基盤法利用権は、令和7年4月1日以降も設定している期限まで有効です(制度廃止による追加の手続きは不要です)。
- 現在貸借している契約期間の延長及び新規に貸借を希望する場合は、農地バンクを介する農地中間管理事業又は農地法第3条での手続きをお願いします。
農地法第3条による許可
農地を耕作の目的で売買したり(交換や贈与も含む)貸し借りをしたりする場合は、農地法第3条の規定に基づき、当事者が農業委員会の許可を受ける必要があります。許可を受けないで農地を取得または貸し借りなどを行っても、その効力は生じません。また、法務局に所有権移転の登記申請をする際には、農業委員会からの許可書の添付が必要となります。
ただし、「相続」などの場合は農地法第3条の許可は不要ですが、別途届出が必要です。
主な許可基準
農地法第3条に基づく許可を受けるためには、次のすべてを満たす必要があります。
1 全部効率利用要件
申請する農地を含め、所有する農地、借りている農地のすべてを効率的に耕作すること。
2 農作業常時従事要件
申請者又は世帯員等が農作業に常時従事(原則150日以上)すること。
3 地域との調和要件
申請農地の周辺の農地利用に影響を与えないこと。
4 農地所有適格法人要件
法人の場合は、農地所有適格法人の要件を満たすこと。
上記の許可要件を満たしていない場合でも、学校法人、医療法人、社会福祉法人など、例外的に許可できる場合がありますので、詳しくは農業委員会にお問い合わせください。
※農地法の改正により、令和5年4月1日から下限面積要件が撤廃されました。詳細については以下をクリックしてください。
農地取得に係る「下限面積要件」撤廃
法人が農業に参入する場合の要件
1 法人が農業に参入する場合の基本的な要件は個人と同様です。
2 農地の所有権は「農地所有適格法人」の要件を満たさないと取得できません。
3 貸借であれば一般法人でも可能です。ただし農地を解除条件付きで借りる場合に限ります。
法人形態 |
農事組合法人、株式会社(公開会社でないものに限る)、合名会社、 合資会社、合同会社 のいずれか |
事業内容 | 主たる事業が農業(農産物の加工・販売等の関連事業を含む) |
議決権 |
農業関係者が総議決権の過半を占めること ※農業関係者1/3超+食品事業者(または地銀ファンド)で1/2超の特例あり |
役員 |
役員の過半が農業に常時従事する構成員であること 役員又は重要な使用人が1人以上農作業に従事すること |
1 賃借契約に解除条件が付されていること 解除条件の内容:農地を適切に利用しない場合に契約を解除すること 2 地域における適切な役割分担のもとに農業を行うこと 役割分担の内容:集落での話し合いへの参加、農道や水路の維持活動への参画など 3 業務執行役員又は重要な使用人が1人以上農業に常時従事すること 農業の内容:農作業に限らず、経営や企画に関するものであっても可 |
許可申請の手続き
- 許可申請の受付締切日は前月の月末(閉庁日の場合は直前の業務日が締切日)となります。
- 申請の内容によっては事前の手続きが必要となる場合もありますので、申請前に必ず農業委員会事務局にご相談ください。
申請から許可までの流れ
許可申請・許可指令書の交付までの流れは、次のとおりです。
1 申請についての事前相談
農業委員会事務局へお越しいただくか、お電話をお願いします。申請書の書き方等の相談に対応しま
す。また、譲渡人、譲受人、対象農地の要件に問題がないか等の聞き取りを行わせていただきます。
2 申請書の受付
申請書の記載内容に漏れがないか、許可基準に適合するか等を確認し受付をします。
3 現地調査
農業委員、農地利用最適化推進委員、農業委員会事務局職員による現地調査を実施し、現地に問題が
無いかを確認します。
4 農業委員会総会での審査
毎月22日頃に開催する委員会総会で許可・不許可の決定を行います。
5 許可書の交付
農業委員会事務局から連絡をしますので、申請者(代理人)の印鑑をご持参のうえ窓口にお越しくだ
さい(郵送での交付も可能ですのでご相談ください)。交付日の目安は総会の翌日から2営業日目が
目安です。
関係書類
農地法第3条許可申請関係書類(左記よりダウンロードできます)
賃借権の合意解約
農地に設定されている賃貸借契約を合意による解約をしたときは、当事者が農地法第18条第6項の規定に基づき、合意解約通知を農業委員会に提出する必要があります。
賃貸借の合意解約関係書類(左記よりダウンロードできます)
使用貸借の解約通知
農地に設定されている使用貸借権を解約したときは、解約通知を農業委員会に提出してください。
使用貸借の解約通知(左記よりダウンロードできます)
相続等により農地の権利を取得した場合の届出について
相続等により、農地法の許可を受けることなく農地の権利を取得した場合は、農地法第3条の3第1項の規定による届出書を提出する必要があります。
農地を取得した方は、農地の適正かつ効率的な利用を図る義務があります。
届出が必要な方
次の農地法第3条の許可を要しないで農地の権利を取得した方
許可を要しないもの | 許可を要するもの |
農事調停 相続 相続持分の譲渡(共同相続人間) 遺産分割 共有持分放棄 財産分与(裁判所関与がある場合) 包括遺贈 特定遺贈(相続人に対する場合) 時効取得 債務不履行による解除 錯誤無効 無能力等を理由とする取消 真正な登記名義の回復 |
民事調停、小作主事の関わらない判決
共有持分譲渡
共有物分割 財産分与(裁判所関与がない場合)
特定遺贈(相続人以外の場合)
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※権利を取得した土地が農地でない場合は届出不要です。
関係書類等
農地法第3条の3第1項の規定による届出関係書類(左記よりダウンロードできます)