建造物用語解説
- 神社建築の形式
- 神社建築各部の名称(久我神社本殿)
- 桁行・梁間(けたゆき・はりま)
- 切妻造(きりづまづくり)
- 方形造(ほうぎょうづくり)
- 唐門(からもん)
- 杮葺(こけらぶき)
- 軸部(じくぶ)
- 向拝(こうはい)
- 斗きょう(ときょう)
- 中備(なかぞなえ)
- 腰組(こしぐみ)
- 和様(わよう)
- ハーフティンバー
- 木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)
神社建築の形式
神社建築各部の名称(久我神社本殿)
桁行・梁間(けたゆき・はりま)
桁行は、桁がかかる方向、または桁を支える両端の柱の中心から中心までの距離を意味します。一般的には棟(むね)と平行する建物の長手(ながて)方向をいいます。梁間は、桁行と直交する梁(はり)の通る方向のことで、一般的には建物の短手(みじかて)方向をいいます。
切妻造(きりづまづくり)
切妻屋根をもつ形式のこと。切妻は日本建築古来の最も一般的な屋根の形式で、妻すなわち屋根の端を切った形をいいます。たとえていえば、四角い紙を二つ折りにして山形に伏せたような形です。
方形造(ほうぎょうづくり)
四角・六角・八角など建物の形はいろいろですが、屋根の各面が中央の一点に集まる形式をいいます。
唐門(からもん)
屋根に唐破風(からはふ)のついた門をいいます。唐破風が門の正面についた向唐門(むかいからもん)と、門の両側面についた平唐門(ひらからもん)とがあります。
杮葺(こけらぶき)
杉(すぎ)・椹(さわら)などの割板を重ねて屋根を葺(ふ)く方法で、板の厚さ3mm程度のものを用います。厚さの違いによって名称が異なります。
軸部(じくぶ)
基礎から軒(のき)のあたりまでの、建物の骨組みとなる部分の総称です。柱・長押(なげし)・貫(ぬき)・台輪(だいわ)が含まれます。
向拝(こうはい)
建物本体の部分を身舎(もや)(母屋)といい、その前や後に突き出た、礼拝したり階段を昇り降りするための部分です。
斗きょう(ときょう)
柱または台輪の上にあって、軒や天井などを支える木組の部分です。斗(ます)や肘木(ひじき)で構成します。組物(くみもの)ともいいます。
中備(なかぞなえ)
柱上の斗きょうと斗きょうの間にかかる重量を支えるため、その中間に置かれ、柱間を飾るものです。間斗束(けんとづか)や蟇股(かえるまた)などが多く用いられます。
腰組(こしぐみ)
縁(えん)の下にあり、縁を支える斗きょうのことです。
和様(わよう)
社寺建築の様式名。社寺建築は飛鳥・奈良時代に中国や朝鮮半島から伝わって以来日本化が進み、平安時代後期頃に日本的様式が完成しました。その様式を和様といいます。このほか、鎌倉時代初期に中国から伝わった大仏様(だいぶつよう)と唐様(からよう)(禅宗様(ぜんしゅうよう))、それらの様式が混合した折衷様(せっちゅうよう)があり、斗きょうの形・構成なども様式によってそれぞれ異なっています。
ハーフティンバー
中世よりヨーロッパ北部(イギリス・フランス・ドイツなど)で広く普及した伝統的な木造建築形式のことを言い、日本の古民家などに見られる柱、梁をもちいた軸組工法とよく似ています。
柱・梁(はり)・筋違(すじかい)などの木造骨組をそのまま外にむき出しにし、木造骨組みの間を煉瓦・土・石などで埋めた壁に特徴があり、よく民家に用いられています。
木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)
日本の木造建築構造の構法のひとつです。柱や梁といった軸組(線材)で建物を支え、柱間に漆喰などの壁材を充填します。日本で古くから発達してきた伝統工法(でんとうこうほう)を簡略化・発展させた構法で、在来工法(ざいらいこうほう)とも呼ばれています。⇔木造枠組構法(2×4工法)